「ヒト・モノ・カネ」の時代に変化が 長寿経営の一番のかぎは

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コカ・コーラの成功も技術力が裏打ち

   マーケットにおいても企業間においても優勝劣敗や下克上が激しさを増し、かつてのように、取引実績や人間関係、ブランドだけで注文を取ることが難しくなっています。

   長寿企業の経営者は、そのことを敏感に感じとり、「技術」「創意工夫」で競合他社との差別化を図らねばならないと考えています。

   技術といっても製造業に限りません。飲食業でも、調理の技術や顧客接待の技術で、独自のノウハウをもっている企業があります。営業では、販促や販売の技術というのもあります。

   今年4月、米国コカ・コーラ社を訪ねて歴史ヒアリングをしました。コカ・コーラの製法は門外不出。国連加盟国よりも多い数の国で売られているコカ・コーラ成功の秘訣を直接、聞いたところ、一つにはその味だといいます。民族によって甘みを感じる原料が違うので、世界中で同じ原料を使っているわけではないとのこと。つまり成功のかぎは、世界のそれぞれの国でおいしく、安定した味の飲料を提供するために開発した技術力にあるということです。アトランタの本社にある、各国のコーラの飲み比べコーナーでは、確かに味の違いを体験することができました。

   その次がコカ・コーラというブランド。英語では「OK」の次によく知られている単語だそうです。

   世界でもっとも愛されている単品商品とも言えるコカ・コーラ。その130年の歴史に学ぶことはたくさんあるようです。

   さて、あなたの会社はいかがですか。(浅田厚志)

浅田厚志(あさだ・あつし)
青山学院大学総合研究所・客員研究員で、長寿企業の経営哲学などを研究中。「出版文化社」代表取締役社長でもあり、創業以来、多くの社史・記念誌の企画制作や、出版企画プロデュースなどを手がけている。著書に『成功長寿起業への道』など。
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