いかに上司といえども、いつもおごってもらうわけにはいかないから、日常の飲食では部下後輩ともども割り勘ということも珍しくない。それで何事もなく会計がすめばいいのだが、中には「割り勘でも上司を立てろ」と駄々をこねる、ちょっと面倒な御仁もいるようなので、しもじもはため息交じりに対応を迫られることになる。
「いかにも割り勘じゃねーか!」
Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に、4歳上の男性上司と2人で食事に行ったという女性からの相談が投稿されている(2016年6月6日)。
食事に誘ったのは上司だが、食べ終わる頃になって「まさか奢ってもらう気じゃないよね?」と念を押された投稿者。実際、おごってもらう気はなかったようで、「もちろん、払いますよ」と答えたという。
しかし会計時にもめた。自分の代金が1700円くらいだったため、レジでトレーに2000円置いたところ、「おいおい、男を立てろよ。レジで別々に払ったらいかにも割り勘って感じじゃねーか!」と店員の面前で口頭注意されてしまった。店を出てからも、「普通は男を立ててレジでは男に払わせて、後から店に出てからお金を渡すもんだ」としつこく文句を言われたそう。
「レジで財布を出さないと払う気がないと、嫌な気分になると思うのですが、割り勘でも、レジではごちそうになったように振舞い、男性を立てるべきなのでしょうか?」 と、意見を求めている。
上司にも一分の理?
回答者からは、
「その上司はせこいです。せこい人を立てる必要はありませんよ」
「ちっちゃい男。普通、部下の女性には奢るでしょう」
など「無視してしまえ」と突き放す意見が多く寄せられているが、中には、
「友達なら分かるけど、一応上司なんですよね。それなら、『後で自分の分お渡ししますね』と声だけかけて、レジではまとめて出してもらう。レジで別々にお金を出しちゃうのは、ちょっと格好悪いというか、気遣いに欠ける印象はありますね」
と、なお投稿者に気遣いを求める、上司寄りの見方も書き込まれている。また、
「自分が昔に交際した歳上の女性は、自分は全然お金なかったので彼女が払ってくれてましたが、必ず最初にお金を自分に渡して会計は自分にさせてくれてました。彼女曰く、男性に恥はかかせたくないとの事で」
と、古きよき時代のうるわしい体験を臆することなく披露する男性もいた。
女性向けコラムサイト「Googirl」によると、デートのときに「男性を立てる」やり方として、割り勘や少し支払いをする際は席に座っている段階でお金を男性に渡しておくのがよい、という。やはりレジの前で財布を取り出すのは上手なやり方ではない、ということなのだろう。
このご時世に「男を立てろ」と言い募る神経も神経だが、現実にそういう上司がのさばっている以上、へたにけがをしたくないと思うのも人情。緊急避難的な対応策もいちおう心に留めておいたほうがいい、ということか。(MM)