「学歴が全てじゃない」という考え方が広く受け入れられつつあるように見える昨今だが、中堅のビジネスパーソンの間では依然根強く重視されていることが、最近のアンケート調査で明らかになった。さらに、「一番学歴にこだわる年収の層」の調査結果がちょっとした話題になっている。
課長より先に行くには学閥も必要
気になる調査を実施したのは、ニュースサイト「日刊SPA!」だ(2016年5月5日結果公表)。
30~49歳までのビジネスパーソン600人を対象に「学歴は必要だと思いますか?」とたずねたところ、YESが77.7%という結果に。
さらにこの結果を年収別に分けると、「学歴は必要」と回答した割合が最も高かったのは、年収800万~1000万円の92.8%だった。以下、600万~800万円(87.4%)、1000万~1200万円(82.9%)と続き、全体の27.3%を占める200万~400万円で72.7%、同じく24.9%の400万~600万円で75.1%と平均を下回った。最もYESが低かったのが200万円未満の65.8%。1200万円以上も74.5%と比較的少なかった。
なぜ800万~1000万円未満の年収の人が最も学歴にこだわるのか。調査結果を報じた記事では、
「課長までは順調に出世できたが、その先に行くには学閥もある程度必要だと思う。ウチの会社の場合、役員はみんな慶應大学卒ですから」(明治大学卒・40歳)
「高校の同窓会に参加したとき、友達がみな年収1000万円を越えてきた。進学校だったら、自分が行った大学は中の上。ほかは東大とか早稲田とか慶應とか。もっと頑張っておけばよかった」(関西学院大学・37歳)
という声を紹介し、
「年収800万円といえば、世の中からすれば順調に出世している人たちだ。だが、だからこそ出世の壁を感じてしまい、学歴による限界を感じてしまうこともある」
と分析している。