新入社員が入社してはや2か月が過ぎようとしている。慣れないことばかりで戸惑いも多いことだろうが、先輩や上司にとっても、新人に手を焼かされることが多いと感じる2か月だったのではないだろうか。思うように仕事が進まない歯がゆさに、若手、新人への指導がついつい厳しくなることもあっただろう。
そうした厳しさも若手にとっては社会の洗礼......と納得してくれるかと思えば、なんと親が「けしからん」とクレームを付けてきた職場もあるようだ。
保険証を投げつけたんか切る
Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に、「今年入社してまだ1ヶ月の新入社員が親を連れて来ました」という、ユーザーからの相談が投稿されている(2016年5月14日)。
危険な作業をしていて、職人が多く仕事中はピリピリしているという投稿者の職場。新人には一通りのことを教え、わからなかったらノートに書いて復習させる。危ない時は「危ない」と叫び、3回教えたことを忘れていたら怒る。そう決めて教育しているそうだが、「会社がうちの子をいじめてる」と親が乗り込んできたのだという。
しかも、「うちの子に残業はやらすな」と注文をつけ、「卒業した学校にダメな会社と報告する」と脅しめいたことを言われ、あげくに「明日からこの会社には、行かせませんから」と当人の保険証を投げつけてきたそうだ。投稿者は、
「こんな人は、はじめてです。怒ってもダメなのか?」「過保護にしすぎて世の中を全くしらない家族なのかと思います」
と、驚き呆れている。
うちにも毎年一人ぐらいいる
回答者からは、
「そういう人には冷静に理詰めで説明した方がいいです。残業の必要性やそれが嫌ならやめてもらっても構わないという事をです。学校に報告されてもそれで企業評価が落ちるとは思えませんし、就職担当者が疑念を抱いたなら質問してくるでしょうからその時に事情を説明すれば理解を得られるはずです」
「あまりガァガァ言ってくるなら、『失礼ですが、ご子息は弊社には合わないのではありませんか?』と提言差し上げたらいかがでしょう?」
など、職場の肩を持つ意見が多く寄せられている。
また、「うちの若い連中も毎年一人位います」という被害経験者からは、
「辞めて頂きたいので、求める能力の半分の仕事量を与え定時で帰らせるしかないですね。ただ周りからは『なんであいつだけ』という不満がでます。不満は金銭的に解決するしかないので、賞与の査定を下げるなどの処置をとるしかありません」
と、具体的な対応策が示された。
ツイッターでも被害報告続々
実際、新入社員の親が職場に乗り込んでくるケースは少なくないらしい。
ツイッターを見てみると、
「少し前に、新入社員の親から『入社して早々身体的・精神的に疲労している。叱咤激励の言葉もない。どうなってるんだ』って来た」
「モンペ(モンスターペアレント)『新入社員の息子が伝票入力を正しくできないのは数字の桁数が大きいから。そんな大きな数値(売上など)を何個も入力できるわけがない。せいぜい4~5個くらいが限度でしょう。自分(モンペ)もそれくらいが限度。数値を入力させている会社が悪いし、間違いを注意するのは不当だ』」
「うちは絡みがない業者の話らしいけど、新入社員の営業マンがやらかして、担当者に怒られた後、オカンが営業先に怒鳴り込んできたらしい。モンペってマジでいるんだなー」
などなど「被害報告」が書き込まれている。
親は乗り込んでくるわ、教育的指導は「パワハラ」扱いされかねないわ......。新人を受け入れる立場の人々にとってはストレスフルな日々が続く。(MM)