ソニー、1カ月ぶりに年初来高値上回る 熊本地震受けてなお増益で

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   ソニー株は5月25日、前日終値比7.3%高の3095円まで上昇し、4月21日の年初来高値(3074円)を上回った。前日の株式市場の取引終了後に発表した2017年3月期の業績予想が好感された。業績予想は熊本地震の影響で1150億円の営業減益要因が生じながらも、電機部門などの収益力向上で営業利益は前期比2.0%増の3000億円を見込む。業績回復途上にあるソニーが、熊本地震を受けてなお増益という力強さが素直に評価された。

相場全体をけん引

ソニー本業の電機やゲームが増益を支えた(画像はイメージ)
ソニー本業の電機やゲームが増益を支えた(画像はイメージ)

   25日は外国為替市場の円相場が円安・ドル高に振れたこともあり、株式市場は全体として上昇基調。日経平均株価の25日の終値は前日比1.6%高の1万6757円35銭だったが、ソニー株の終値は前日比6.5%高の3072円で、全体の伸びを大きく上回る上昇率を記録。株式市場では「ソニーが全体のけん引役になった」との声も聞かれた。

   ソニーは熊本地震の影響を精査するため、業績予想の公表を延期していた。デジタルカメラ向けの画像センサーなどの基幹的生産拠点である熊本工場(熊本県菊陽町)が被災したためだ。順次、生産を再開しているが、フル稼働は10月以降の見込み。今回公表した2017年3月期業績予想には、直接的な物的損害や復旧費用のほか、デジタルカメラの販売機会損失などを織り込んだ。その結果、画像センサーなどのデバイス分野で約600億円、デジカメなどの分野で約450億円の営業減益を見込んだ。過去数年の厳しい時期を支えた金融や音楽は伸び悩むが、本業の電機やゲームの収益力向上が増益を支える。

   証券各社は目標株価をおおむね据え置いたが、今回の業績予想を歓迎する向きもある。SMBC日興証券は「地震の影響が予想の範囲内に収まったことはポジティブ」とするレポートを出し、「今後はこれをいかに最小化できるかに注目したい」と指摘した。

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