超スゴ腕人事部長がいる会社は「メンタルヘルス」が良好でしょうか?
いきなり妙な質問で申し訳ありません。答えは「イエス」。私がお話ししたいのは、ストレスチェック導入に際しても、会社の人事が透けて見えるということです。今回も、筆者の40年にわたるメンタルヘルス・コンサルの経験に基づく独断に、少々お付き合いください。
働きぶりにもよい影響が
まず、会社をウォッチしていて率直に感じられることです。
(1)優秀で、知識を備えた「超スゴ腕人事部長」がいると、成果が出るよいストレスチェックを導入する
(2)優秀だが、知識に欠ける人事部長がいると、多くのツールを集めるが、結論が出ない
(3)志のない人事部長がいると、「何をやっていいかわからない」と右往左往する
メンタルヘルス対策やストレスチェック導入は、人事トップのリーダーシップに左右されます。優秀な人事部長のいる会社は、メンタル不全の社員が少ないだけではなく、働きぶりにもよい影響が出ているのが特徴です。
今あなたが、「わが社は働きやすくて、精神衛生上もいい会社だなあ」と率直に思っているならば、超スゴ腕人事部長の「気働き」によるところが大かもしれません。
なぜなら、会社をよく知り、その発展を願い、部下やその家族の幸福までを思いやり、どんなストレスチェックのしくみを入れたら本当によいのか真剣に考え、実行しようとする人が人事部門にいるかいないかで、職場のメンタルヘルス状況は変わるからです。つまり、人事部長が陣頭に立って改善しようとしているかどうかが重要なのです。
スゴ腕が求める3つの成果
人事部長が、他人事(ひとごと)だと思わず、自分の職責を重く感じ、問題を解決しようとしているかどうかで結果のよしあしが決まります。 だから、強いリーダーシップを発揮する超スゴ腕人事部長は、ストレスチェック導入に当たり3つの成果を求めます。
(1)安全配慮義務=メンタル不全者の減少
(2)生産性向上=やる気のアップ
(3)人材育成=内発的動機づけの強化
優秀な人事部長は、この3つの目的を達成できるストレスチェックツールを選択します。優秀であっても勉強しない、知識のないリーダーは、何がいいのか判断ができません。みなさんの会社にはいないと思いますが、頭が空っぽで、志もない、ただいるだけの人事部長は、知識もなく、何をしていいかわからないのです。この3番目の人事部長には、自己改革に燃えていただきたいものです。
時代は変化しているのに、人事トップの頭の中がまだ20世紀という企業も多いです。多くの企業の中でも、スゴ腕人事部長のいる会社は、よいストレスチェックを導入し成果を上げています。会社に心を病む人が少なくなり、ゼロになれば、本人だけでなく、家族も含めてどれだけの人が幸福になるか知れません。
多くの人事部長さま、あなたの役職は本当に重要なのですよ。(佐藤隆)