誰かが無断で使っている痕跡が! 社用車の私的利用を大目に見ていいのか

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弁護士回答=業務上横領罪が成立、会社には厳格な管理が求められる

   ルールを守っている人からすると、社用車の私的利用は見過ごせませんよね。同僚もどうせバレないだろうと安易な気持ちで使用しているのではないでしょうか。

   社用車の私的利用が禁止されているにもかかわらず私的に利用した場合には、会社のものを権限なく使用したことになりますので、刑法上、業務上横領の罪に問われる可能性があります。仮に、私的利用分のガソリン代を自腹で払っていたとしても、勝手に車を利用していることにはかわりないので業務上横領罪が成立します。

   もっとも、会社が、個別の事情から、ある従業員に社用車の私的利用を認めていた場合には、業務上横領罪は成立しません。しかし、会社の社用車の利用方法について権限のない先輩が、社用車の私的利用を黙認したとしたら、業務上横領罪が成立することにかわりはありません。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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