希望せずとも意外な拡散 ガリガリ君、お詫びCM効果で世界が注目

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   赤城乳業のアイスキャンディー「ガリガリ君」の25年ぶり値上げと、それに併せて同社が展開した「お詫びCM」が、価格改定から50日以上経った今なお反響を広げている。同CMは多くのメディアに取り上げられ、ついに米有力紙が記事を掲載するに至った。売れ行きも好調で、値上げを断行した2016年4月の販売本数は前年比10%増。同社の広報担当者は、「CMの内容が話題を集めたことも、売れ行きが落ちなかった要因の1つといえる」と5月23日、J-CASTニュースの取材に答えた。

ふたを開けると10%増

2016年4月1日、2日に放送された「お詫びCM」
2016年4月1日、2日に放送された「お詫びCM」

   原材料や人件費などが高騰し、企業努力によるコスト削減では対応できなくなったとして、赤城乳業は16年4月1日から、「ガリガリ君」の希望小売価格(税別)を60円から70円に、25年ぶりに値上げした。同社は消費者からの厳しい反応を予想し、値上げ当月は販売数量が前年比で7%程度減少するとみていた。

   だが、予想に反して販売数量は前年比10%増に。その理由について広報担当者は、社のトップや社員がずらりと並び深々と頭を下げる「お詫びCM」がテレビや新聞などのメディアに大きく取り上げられ、世間の注目を集めたことが「(売り上げ好調の)要因の1つになった」と説明する。ただし、氷菓の特性上、「売り上げが天候や気温に左右される部分が大きい」とも言い、値上げ後の販売数量は、前年と比べ「一進一退のペース」だという。

米紙取り上げ取材依頼が続々

   「お詫びCM」の評判は海外にまで及び、16年5月19日付けの米紙「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)は、「ガリガリ君」の値上げとCMについての記事を1面と経済面に掲載。同社が確認している範囲では、イタリア、ブラジル、タイ、中国、台湾の新聞でも取り上げられたという。

   CMに関する取材依頼は現在も国内外から相次いでいるといい、広報担当者は「NYTの記事をきっかけに、また海外からの問い合わせが増えるかもしれない」と話していた。

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