世の多くの人は、ストレスがかかると心理的な負担を感じるものだが、中には、ストレスでも心が折れない人がいる。
最近、『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?』(久世浩司著、SBクリエイティブ)、『社長の手帳』 (佐藤満著、グラフ社)などの本を読んだ。「心の筋肉を鍛える」、「ストレスに打ち勝つ」、「レジリエンス(不利な状況に直面しても平衡状態を保てる力)」などとうたった類書も多い。働く人々の多くが「ストレスで、心が折れない人のその方法を知りたい」と強く望んでいるということなのだろうと思う。
言動や振る舞いがこう違う
いったい、どんな人が、心が折れない人なのだろうか。そういう人々は、どんな言葉を発するのか。どのようにして、心が折れなくなったのだろうか。
私の40年にわたる臨床心理の経験と、先に挙げた著作などを参考に、私なりに「ストレスでも心が折れない人」の特徴をまとめてみた。似たような表現が書籍などにあれば、本来は出典を付して引用すべきところであるが、すでに記憶があいまいで原典にたどり着くことができない。その点の不備をお許し願いたい。
まず、「ストレスで心折れない人」の言動の特徴とは。
三流のリーダーになる人は、仕事でストレス状況になると、愚痴が出る。
二流のリーダーになる人は、仕事でストレス状況になると、弁解が出る。
一流のリーダーになる人は、仕事でストレス状況になると、知恵が出る。
さらに、
三流のリーダーになる人は、仕事がうまくいかないと、人のせいにする。
二流のリーダーになる人は、仕事がうまくいかないと、運のせいにする。
一流のリーダーになる人は、仕事がうまくいかないと、己のせいにする。
そして、
三流のリーダーになる人は、仕事がうまくいくと、自分に感謝する。
二流のリーダーになる人は、仕事がうまくいくと、仲間に感謝する。
一流のリーダーになる人は、仕事がうまくいくと、すべてに感謝する。
ここでいう、一流のリーダーとは、サーバントリーダー(奉仕する上司)であり、志のリーダーだ。有名な大企業でリーダーとなれば、優れたリーダーだとみなされるかもしれないが、正しい言動・振る舞いによって部下を導くことができなければ、一流のリーダーとは言えない。