総務省が2016年5月17日に発表した15年の家計調査報告(速報値)によると、2人以上の世帯の平均貯蓄残高は前年比0.4%増の1805万円となり、過去最高を更新した。増加は3年連続。ただし全体の3分の2以上の世帯で平均を下回ったほか、貯蓄が「100万円以下」の世帯も11.1%に上った。
60歳以上は平均2400万円!
貯蓄は預貯金、生命保険、有価証券などの合計で、現金で保有する「タンス預金」は含まれない。平均貯蓄残高の中央値(国民を貯蓄額順に並べたとき、ちょうど真ん中に当たる人の額)は1054万円で、平均値とは751万円の差がついた。また、2人以上の全世帯のうち勤労者世帯(全体の51.2%)では、平均値が1309万円、中央値が761万円となった。
年代別では、40歳未満の平均貯蓄が608万円だったのに対し、60~69歳は2402万円、70歳以上は2389万円と、年齢が上がると貯蓄額が大きくなる傾向も出た。総務省の担当者はJ-CASTニュースの取材に、「数字からも分かる通り、一部の富裕層が全体の平均値を押し上げているのは確かです」と話した。
実感とのズレ大きい
こうした調査結果に違和感を覚える人も多かったようで、ツイッターやネット掲示板には、
「世帯貯蓄平均1805万とかどこの世界の話なんだ?」
「庶民は貯金どころじゃない」
「私を含めて周囲の人は平均を下げる方だな」
など「実感とのズレ」を訴える書き込みが相次いだ。
なお、今回の調査では「貯蓄ゼロ世帯」が除外されている。金融広報中央委員会が15年6月から7月にかけて実施した世論調査では、2人以上世帯の30.9%が「金融資産を保有していない」と回答している。