「経営の継承」成功のツボ 調査結果から浮かんだキーワードとは

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社員の求心力を高める要素

   勤めている会社が、創業者であるなら、機会を見つけていずれやってくる経営の継承をどのように考えておられるか、聞いてみましょう。もし、「時期尚早」とか「ノーアイディア」であったら、企業の行く末に、疑問なきにしもあらず。

   創業者は若くても、次代の経営を視野に入れている人でないと、自らの経営力に頼らない、新たな経営の仕組みが作れないからです。

   2代目以降の方で、次も同族で考えているようなら、同族経営をいかに社員に説明し、理解と協力を得る努力をされているかを見てください。長寿企業のほとんどは同族経営で、同族間の継承は、長寿経営の要諦です。また、同族内で適当な人材を得られる一族は、素晴らしい歴史と家風をもっていることでしょう。そうでなかった場合は、よほど創業者が知恵者であったはずです。

   経営の継承は、経営者の最難関の課題であると同時に、社員にとっても大いなる関心事で、その納得性は次代の経営を牽引し、社員の求心力を高めるための重要な要素になります。(浅田厚志)

浅田厚志(あさだ・あつし)
青山学院大学総合研究所・客員研究員で、長寿企業の経営哲学などを研究中。「出版文化社」代表取締役社長でもあり、創業以来、多くの社史・記念誌の企画制作や、出版企画プロデュースなどを手がけている。著書に『成功長寿起業への道』など。
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