起死回生めざしてなすべきことは
この「五月病」、引っ張ったままだと選考でも負け続けることは明らかです。では、どうすればいいか。
キーワードは「あきらめ」です。負けを認める、と言ってもいいでしょう。
内定を早く取る学生、あるいは早く取れそうな学生も、決して楽をしているわけではありません。就活のスタートそのものが早かった、あるいは、留学や部活など大学1年のときから力を入れているものがあるはず。だからこそ、内定を早めに取れるわけです。
「五月病」の学生は就活のスタートそのものが遅い、という特徴があります。出遅れておいて、それで楽をして内定を得ようとしてもそれは無理な話。負けを認めてあきらめたうえで、志望企業以外にも広く、企業研究・業界研究を進めていくべきです。
もちろん、就活そのものが長期化することを覚悟しなければなりません。6月の選考解禁から2次募集に参加することを考えると、秋ごろまでかかるとみておいたほうがいいでしょう。
また、時間が足りないので、できるだけ効率的に事を進めること。
就活のスタートが遅い学生は、自己分析をしっかりやることで挽回しようとしがちです。
しかし、今さらのんびりする余裕はありません。それよりは、企業説明会を1つでも多く回って見ておくほうがまだまし。
筆記試験に自信がないからと言って、全部をやる余裕はありません。一番苦手な分野に一点集中して取り組むほうが得点できます。多くの文系学生は筆記試験のうちの数学(非言語分野)が苦手で国語が得意。ならば、国語を7割から8割にするよりも、数学を4割から6割、7割に引き上げた方がいいでしょう。
時間がいくらあっても足りないかもしれませんが、大丈夫。社会人だって似たようなものなのですから。(石渡嶺司)