厚生労働省が2016年5月9日に発表した3月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、給与の総額から物価変動の影響を除いた実質賃金は、前年同月に比べて1.4%増え、2か月連続でプラスとなった。1%を超える高い伸び幅は、2010年9月以来約5年半ぶり。
名目賃金にあたる、労働者1人あたりの現金給与総額は、前年同月比1.4%増の27万8501円。総額のうち、基本給などの「所定内給与」が同0.4%増えたほか、年度末の賞与など「特別に支払われた給与」が同19.8%増だったことが、給与総額や賃金の伸びを押し上げた。
厚生労働省の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、「消費者物価は前年同月と比べて0.01%増とほぼ横ばいだったため、賞与などを中心とする名目賃金の増加がそのまま実質賃金の伸びにつながった」と話した。