フランス政府が、仏自動車大手ルノーのカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)の報酬が高額だとして、ルノー側に報酬水準の見直しを求めている。朝日新聞デジタルなどが2016年5月5日に報じた。ゴーン氏の2015年の報酬は、約725万ユーロ(約8億9000万円)にのぼる。4月末の株主総会で「報酬が高すぎる」と、株主の過半数が反対票を投じたが、ルノーの取締役会は同総会後、報酬委員会の提案に基づいて予定どおりに支払うことを承認したと発表した。
ルノーは、ゴーン氏の報酬について、2015年の決算で純利益が約50%伸びたことを理由としている。
仏政府はルノーの株式の約2割を保有する筆頭株主。ロイター通信などによると、マクロン経済相は3日の議会で、ルノーがゴーン氏への報酬を減額しない場合、報酬を制限するための法制化も辞さない考えを示した。
ゴーン氏は日産自動車の社長も兼務。ルノーとは別に日産からも報酬を受け取っている。