「日本」に囲まれた私を見せびらかす 外国人呼び込む温泉のベタさ加減

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なるべく日本っぽいところで

   一般のスーパー銭湯は、湯を楽しむという点では非常に優れているのですが、ひとつ大きな弱点があります。いい写真が撮れないのです。

   今どきの旅行客が楽しみを感じるかどうかのポイントとして欠かせない要素は、自分たちが楽しんでいるところを写真に撮り、FacebookやInstagramなどのSNSにアップできることです。日本に旅行したら、なるべく日本っぽいところで、日本っぽい格好をして写真を撮るのがベストです。

   自分の好みで選んだ浴衣を着て、縁日の遊びに興じ、日本庭園っぽい足湯で憩う、そんなようすを撮った写真は、誰が見ても日本旅行をエンジョイしている自分です。それらの写真には、みんなに見せびらかしたくてしょうがなくなる魔力があるのです。さらには、その写真を母国で見た友人たちはうらやましくなり、「自分も将来日本に行ったら、ぜひそこに行きたい!」という話になるわけです。

   大江戸温泉物語は、風呂の入り方などの案内に関しても、日本語のほか、英語、中国語、韓国語での表示もしており、イラスト入りでわかりやすく解説するパンフレットをつくったりして、外国人旅行者が戸惑わないように配慮しています。ここでまず温泉入門を果たしてから、本格的な温泉宿に出かける旅行者も少なからずいるかもしれません。

   日本人にとっては一見ベタすぎたり、ありふれていたりする施設のようでいて、外国人旅行客が大喜びするような施設。それが、これからのインバウンド観光ビジネスの一つの解なのではないかと思っています。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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