トップ6は不変
ちなみに、不正の兆候の2位以下は(2)カネに困っている、(3)発注先や顧客と異常に親密な関係にある、(4)不誠実な態度が目立つ、(5)仕事を分担したがらない、(6)離婚など家庭の問題を抱えていると続く。ACFEによれば、トップ6は調査開始以来変わっていないそうだ。
これらの6つには因果関係があるといえるだろう。例えば、Aは浪費を続けてカネに困り、下請業者との親密な関係を悪用してキックバックを受けていた。さらに、不正が発覚しないよう、会社の経理はすべて1人で仕切っていたと考えられる。
この上場企業は、親会社による子会社取締役の監視強化、子会社取締役のローテーション短期化などの再発防止策をとるそうだ。それに加えて「不正の兆候への感度向上」トレーニングを全役職員に実施し、兆候に気づいた者がすぐに会社に伝えられるようにすることを勧めたい。(甘粕潔)