同僚が突然会社を無断退職 激怒した上司は「損害を償え」と息巻くが
【「フクロウを飼う」弁護士と考える】

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   新年度になり、真新しいスーツに身を包んだ新入社員たちが入社し、そろそろ1か月が経とうとしていますね。ネットを見ていると、すでに「会社に行きたくない」や「仕事についていけるのかが不安」といった彼らの声も散見されます。中には「会社の新人が突然来なくなった!」という上司や先輩社員の書き込みも見られ、なんと入社数日~数週間でいきなり出社しなくなる新入社員もいるようです。今回は、会社を無断退職するそんな「バックレ社員」について解説します。(文責:「フクロウを飼う弁護士」岩沙好幸)

事例=同僚が突然プロジェクトを放り出し行方不明に

部屋はもぬけの殻
部屋はもぬけの殻

   職場の同僚が、昨年来、大きなプロジェクトを進めていました。時たま、彼の相談や愚痴に付き合っていたのですが、相当大変だったようです。とうとう、その同僚は先週から会社を無断欠勤し、連絡がつかなくなりました。彼が休んだ日には、進めていたプロジェクトの大切な会議があり、無断欠勤で会社に莫大な損失が出てしまったようです。上司たちは、「もしかして・・・!」と、最悪のケースを見越してその同僚の家を見に行ったのですが、届けられていた住所の部屋はもぬけの殻。すでに引っ越しており、その後数日経って、実家にいるのを突き止め、ようやく連絡が取れたそうです。上司は激怒しており、同僚が出した損失を絶対請求してやると息巻いています。こういった場合、会社は賠償を請求できるものなのでしょうか。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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