新年度がスタートして約3週間。社会人1年目のフレッシュマンもいよいよ本格的に仕事を開始する頃です。私も毎年この時期は新入社員研修が続きますが、受講者に顕著な、年々増加傾向にある身だしなみに関するある事象をご紹介したいと思います。
それは「リュックサック」。以前、少しだけ触れたことがありましたが、今回は改めてスーツとリュックサックとの関係性について考えてみます。
「何?リュック?」
そもそもリュックサックとは、「荷物を入れて担ぐための袋である。登山、軍事などその用途は広く日常生活でもよく用いられる」とウィキペディアにもあるように、アウトドアで使用するためのバックです。日常生活でも、とありますが、これもあくまで遠足など気軽な行楽で使用するものということでしょう。
しかし、近年はスーツ姿にリュックサックというビジネスマンが増えたと感じます。確かにかさばる資料やパソコンなど重い物を持ち歩く際、ビジネスバックよりも両肩で背負えるリュックサックは、体への負担も軽く楽でしょう。
一方、その姿を見て違和感を持つ人が多いのも事実です。
自分が求める実用性と、「スーツにはビジネスバック」を常識として織り込み済みの他人の意識とは相容れないなのです。自分の職場にはリュックサックを使用する人が多いから大丈夫、と判断して他社を訪問したら、担当者が「何?リュック?ビジネスマナー大丈夫?」と口には出さずに失笑しているケースがしばしばあるのです。
誰も教えてくれないから怖い
マナーや言葉遣いは時代と共に変化をするもので、間違った使い方であっても、みんながそれを当たり前のように使えば市民権を得て「OK」となることはあります。しかし残念ながら、スーツとリュックサックの組み合わせはまだ市民権を得るほどには浸透していません。特に社会人1年目の皆さんには、どこで誰と会っても恥をかかない、ビジネスマンにふさわしい正式なスタイルを覚えて欲しいと思います。これは服装だけでなく、言葉遣いや電話応対、来客応対なども同様です。
ビジネスマナーの怖いところは、誰も「あなた、マナーないですね」と面と向かって言ってくれないことです。気づかぬ間に「マナーのない人」と認定されないよう、服装にしても言葉遣いにしても、それぞれの意味を理解して使用することが大切です。
フレッシュマンに正しい指導ができるよう、この記事が先輩や上司の皆様のビジネスマナー振り返りのきっかけになれば嬉しいです。(篠原あかね)