「企業の生命力」を見極める 「創業時の商品」と「変遷力」の関係

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ポイントは製品よりも付加価値

   なるほど、団扇は1年のある時期に集中的に配られるものですし、個人が購入してもつ団扇はまれです。印刷物と言うより、広告代理店的な動きと付加価値が必要となれば、きわめて近い商品です。企業の遷移力は飛び石ではなく、商品を横にずらしてゆくことがわかります。

   一方、忘れてはいけないのは、18%の企業がいまだに75%超の売り上げが創業時の商品だということです。赤福餅の株式会社赤福はその代表企業です。創業者の素晴らしい才覚がいまも輝いています。

   どうやら、事業の遷移は、製品よりもその付加価値にポイントがありそうです。あなたの会社は、いかがでしょう。新商品は出ていますか。商品のアイテム数は広がっていますか。その場にとどまって生き延びられる企業はきわめて希です。お客様のニーズに常に注目してゆくことと、徐々に取扱商品を変えていくことは、イコール企業の生命力を表します。自社をしっかり見つめてみましょう。(浅田厚志)

浅田厚志(あさだ・あつし)
青山学院大学総合研究所・客員研究員で、長寿企業の経営哲学などを研究中。「出版文化社」代表取締役社長でもあり、創業以来、多くの社史・記念誌の企画制作や、出版企画プロデュースなどを手がけている。著書に『成功長寿起業への道』など。
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