団扇からカレンダーへ
では遷移力とは、どのようなものでしょう。取材により、このような企業が例としてあげられます。
100年余りの歴史を重ねた印刷会社は、創業時に団扇(うちわ)・扇子を作っていました。戦後の1970年代までビジネスモデルを維持してきましたが、エアコンが普及するにつれて徐々に団扇、扇子の需要が縮小してゆき、同時に、中国製が入ってきて値崩れが起こりました。そこでカレンダーの企画・制作に変化してゆき、現在の主力商品となっているようです。この2つには印刷物という共通項はありますが、形態や用途もずいぶんと違っているので、詳しい話を伺いました。
「団扇は企業が自社の名前を刷り込んでお客様に配ったり、花火大会で配ったりしていました。企業の宣伝用の印刷物ならカレンダーも同じです。ビジネスモデルとしては同じ範囲内にあるのです」