40歳を潮に訪れる中年危機 心の処方箋を考えてみる

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   もう職場ではストレスチェックが実施されましたか? ご存じのように50人以上の従業員を雇用する企業では2015年12月から、心の健康診断として義務化されました。

   ストレスチェックを受けた後は、働く人に「セルフケア」が、つまり自分自身でストレスをコントロールすることが求められます。

   部品メーカーの優秀な課長Bさん(男性)。大学理工学部卒、今年でちょうど不惑の40歳だ。郊外にマイホームを持つ。35歳の妻と2人の子供の4人暮らし。朝7時から夜7時までよく働くので「ダブルセブン課長」と呼ばれている。

働き者がかかる「休日不安症」

人生の前半が昇る太陽なら・・・
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   Bさんは、健康にいいことはすぐに取り入れ実践する。「できるビジネスパーソンは早朝に勝負する」という本を読むと、迷わず実行に移す。元来、暴飲暴食、不摂生などは縁遠い生活である。朝は4時30分に起床、会社の健康管理セミナーで学んだ「ストレッチ体操」を行う。それからハイドンの弦楽四重奏曲第67番ニ長調作品64の5(「ひばり」)を「防水型スマホ」で聴きながら、「日本の名湯」の入浴剤で仕立てた37度のぬるめのお湯に浸かって早朝入浴を楽しむ。7時には会社到着、帰るのも7時だ。

   休日、やることがなく暇になるとBさんに「ソワソワ症」が出る。本来はゆっくり休めてありがたいはずだ。しかし、Bさんは落ち着かない。やり残した仕事が心配になる。

   とうとう「休日になるとソワソワする」「心配だから会社にいく」と言いだした。医師からは「休日不安症」と診断され、「やりすぎず、趣味を持って、ゆったりと過ごすように」と処方箋を与えられた。

   これは、不惑を迎えるビジネスパーソンによくあるケースだ。

佐藤隆(さとう・たかし)
現在、「総合心理教育研究所」主宰。グロービス経営大学院教授。カナダストレス研究所研究員。臨床心理学や精神保健学などを専攻。これまでに、東海大学短期大学部の学科長などを務め、学術活動だけでなく、多数の企業の管理職向け研修にも携わる。著書に『ストレスと上手につき合う法』『職場のメンタルヘルス実践ガイド』など多数。
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