我々は現実を見ているか 「この国すげー」連発に感じ取れるものは

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自尊心を回復してもらおうと

   このようにテレビがダメになっていく様は、今の日本のテレビそのままです。(アメリカのテレビもそうなんだと思いますが)

   寒さに震えている人に温かいミルクが必要なように、自尊心が欠乏して震えている人には、自尊心を回復させるものが必要です。通常それは、その人個人に対する励ましであり評価であるはずで、テレビが一人ひとりを褒めあげるのは難しい。

   そこで主人公は、その人のアイデンティティーの一部である「国」を褒めあげることで、視聴者に自尊心を回復してもらおうとしたわけです。

   もちろん、一時的に自尊心を回復したとしても、世界はなにも変わりません。ニュースキャスターが「アメリカすげー!」といったところで、視聴者の生活はなにも変わらないからです。

   同様に、「日本すげー」というテレビを見ても、あなたの生活はなにも変わりません。自尊心を回復するためには、遠回りでも、自分がなにか他人の役に立つことをして、そのことで賞賛されなくてはならないのです。(主人公も最後にそれを気付きます)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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