メンタル不調「部長」が転職でイキイキ 新旧組織で何が決定的に違ったのか

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

前の会社では「自然自然とイエスマン化」

   確かに、一見カフェと見まごうようなオフィス空間デザインの力もあるとは思いますが、一歩足を踏み入れると、とにかくその社内の明るくオープンな雰囲気に圧倒されるのです。

   「『人材企業であるがゆえに、人こそ我が社の最大の資産。皆が快適な環境で、忌憚のない意見を出し合えることが理想』という言葉に全てが集約されていると思います」というOさんの表情は、いい会社に転職できたという自信に満ち溢れていました。

   彼の前職はIT系上場企業P社の営業部長でした。P社は、30代の社長が率いる急成長企業。経営スタイルはオーナー創業者である社長の超ワンマンで、完全トップダウン型の管理体制でした。社内コミュニケーションは一方的な社長の指示が中心で、幹部を含めた社員は、社長の顔色をうかがいながら戦々恐々としつつ皆、自然自然とイエスマン化して口数も少なくなり、Oさんも常に疲労感に満ちた雰囲気が漂っていたのです。

   聞けば彼が転職を決意したキッカケは、こんな前職の職場環境で軽度の心身症を患ったことだったと言います。それが今や、イキイキと自社の説明をしつつ前向きな提案を仕掛けてくる姿に、髪の毛の1本1本にまでに溢れるような活力を感じさせるのです。会うたびに悩みや愚痴ばかりを聞かされていた私からすれば、転職わずか1か月でのこの変貌ぶりは本当にびっくりしました。「とにかく一度、会社に来てください」という言葉の裏には、「元気に変貌した自分と、それを叶えてくれた素晴らしい職場を見て欲しい」、そんな思いが込められていたのだと理解しました。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
姉妹サイト