長寿企業の「転業率」 低い業種とその理由

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転業の延長線上に見える会社の将来像

   他業種から7社が流通業に転業したようです。製造業は設備や職人を備えていると、なかなか転業しにくい業種です。製造業から流通業に転じた経営者たちは、その自在さに憧れたのでしょうね。

   流通業は、もともと119社と最大でしたが、12社減って、20社増え、差し引き8社増やして、127社になりました。それは流通業への転業のしやすさを表しています。流通業の強みは、自由自在、融通無碍であること。その時代の情勢にあわせて商品を変えてきた結果、生き残った企業が多くなったようです。

   会社の経営方針を定めた「社是」や「社訓」を制定している企業の割合がもっとも低いのは流通業です。かえって乱世の時に邪魔になる、という理由でした。

   さて、あなたが勤めている会社は、今までどういう転業をしているでしょうか。その経緯を詳しく見てみると、その延長線上に、会社の将来が見えてくるかもしれません。(浅田厚志)

浅田厚志(あさだ・あつし)
青山学院大学総合研究所・客員研究員で、長寿企業の経営哲学などを研究中。「出版文化社」代表取締役社長でもあり、創業以来、多くの社史・記念誌の企画制作や、出版企画プロデュースなどを手がけている。著書に『成功長寿起業への道』など。
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