「駅前で二宮金次郎に扮して1時間耐えよ」 ユニーク入社式の歴史と企業戦略

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採用戦略にも絡む入社式

   丸亀製麺などを展開するトリドールは、入社式を採用戦略に絡めています。入社式の実施場所はハワイ。

   同社のプレスリリースによると、

「ハワイは、2011 年にトリドールが丸亀製麺ワイキキ店で海外初出店を果たした地。丸亀製麺ワイキキ店は現在、世界中の店舗の中でトップの売上げを誇っています。現状、海外11 の国・地域で102 店舗を展開していますが、この海外展開スタートの地で入社式を行うことで、新入社員の皆さんと更なるチャレンジと成長を誓いたいと企画しました」

とのこと。

   就活の合同企業説明会などでも、「入社式はハワイでやります。」と書かれたポスター(バックには水着の白人女性)を貼るなど、大きくアピールしています。

   ただ、合同企業説明会の取材のたびに観察していますが、この「ハワイで入社式」に惹かれる学生が多そうとは思えません。

   学生からすればハワイでの入社式について、利益がそれほどあるわけではありません。遊びに行くわけでもないですし。

   まだ、前週でご紹介した、一定期間働けば奨学金の返済残高を肩代わりする、という制度の方がいいのではないでしょうか、と筆者は感じます。

   とは言え、採用戦略に入社式を絡める、という発想はいいと思います。今後も形を変えた入社式が登場していくことが予想されます。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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