「駅前で二宮金次郎に扮して1時間耐えよ」 ユニーク入社式の歴史と企業戦略

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2000年代に入ると広報戦略絡みも

   時代を2000年代に進めると、水中入社式(鳥羽水族館)、鉛筆削り入社式(三菱鉛筆)、畑の中入社式(オイシックス)など、広報戦略に絡める入社式も出てきました。

   水中入社式は、飼育研究部配属の新入社員がスーツの上にダイビング装備で館内最大の水槽に入り、辞令を受け取ります。その後、先輩飼育係からスポンジを受け取り水槽の掃除(初仕事)。終えると、水槽の中からスピーチをする、というものです。

   鉛筆削り入社式は、自社製品の発売50周年と合わせて当時の新入社員が提案してスタート。新入社員がまず小刀で鉛筆を削ります。その大半は鉛筆を削ること自体が初体験。先輩社員による鉛筆の削り方講習や鉛筆による書初めも、プログラムとして実施します。元は2008年の記念行事でしたが、その後も現在まで継続しています。

   いずれも、マスコミとしては絵になりやすいこともあって、毎年、ニュースになっています。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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