アメリカ並みの時給要求はどうかな? カンボジアよりマシにしても日本は・・・

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

忘れられない豊かだったあのころ

   さて、アメリカと日本についても考えてみましょう。

   アメリカは世界ランキング11位の約5万4000ドル、それに対し日本は、27位の約3万6000ドルです。

   この数字で分かるとおり、日本のファストフードの時給がアメリカより低いのは、日本の方がアメリカよりも貧しいからなのです。

   では、なぜ日本人はアメリカよりも時給が低いことに抵抗を感じるのかを考えてみましょう。それは、時計の針を20年前に戻してみればわかります。

   1995年の日本の1人当たりのGDPはランキング3位。10位のアメリカよりも上でした。

   1991年から2001年にかけては、ほぼ全ての年でトップ5に入っていた。当時は世界でも屈指の豊かな国だったのです。

   この頃の日本は、同じ職種の仕事をしていれば世界でもトップクラスの給料をもらえたでしょうし、トップクラスの豊かな生活ができたのでしょう。その想い出が27位に下がった今でも忘れられないのです。

   つまり、バイトの時給をアメリカ並みにするためには、たぶんデモをするだけでは不可能だと思います。この国が経済成長し、その恩恵を受けて時給が上がるのが他人頼み的な方法としてはベストなのですが、人口が減少し高齢化していく国ではなかなか難しそうです。

   結局、「人と違うことをして、自分を人と違うポジションに置く」という、いつも通りの結論に落ち着くわけです。

   下りエスカレーターの国で生きていくには、精神的にタフでなければなりませんね。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
姉妹サイト