「奨学金返済」肩代わりする企業 残高100万円まで出すところも

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発案自体は3年前から

   同社人事総務部の大野知美マネージャーによると、

「3年ほど前から、弊社のトップから、この制度が構築できないか、と言われていました。それで去年あたりから詳細を詰めることにしたのです」

   オンデーズなど他社事例を調査したうえで、1年目冬に対象者全員に支給という制度を決めたそうです。

   同社の2017年度の採用予定者数は30人。仮に全員が入社、全員が同制度の適用を希望して、上限100万円だった場合、その費用は総額3000万円。

   しかも、1年目冬のボーナスと奨学金返済支援制度の100万円をもらってすぐやめる、というリスクもあります。

   が、それも分かったうえで、と話すのは広報・法務部長の江本豊さん。

「先行している他社は入社して数年というものでした。同じことでは意味がないので早い時期に、と考えました。奨学金利用者は約6割とのことなので、弊社目標30人採用だと制度適用対象者は18人というのを想定しています。もちろん、30人全員、ということもあり得るでしょうし、すぐやめる新入社員が出てしまうかもしれません。が、それは社員に定着してもらう努力をこちらが十分にできなかった、つまり、われわれ会社の責任ということだと思います」

   同制度を希望するかどうかでの選考基準は、

「一切、差を付けません」(大野マネージャー)
石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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