まもなく到来する「つらい過渡期」に備えよ 韓国棋士の敗北に思う

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とりあえず機械にできないことを

   今後、機械ができることはどんどん増えていき、それだけ人間がやるべきことは減っていきます。そして、今人間がやっている仕事の大半は機械ができるようになり、失業率が50%を超えるくらいから、ベーシックインカムのような仕組みが施行され、「機械が働くから、人間は働かなくてよい世界」が生まれると思われます。

   我々は、そんな「人間が働く」世界と「機械が働く」世界の過渡期に生きています。

   この過渡期の辛いところは、人間が働くことを前提に動いている世の中で、人間ができることが減っているため、「能なし」とされる人間が増えてしまう点です。

   過半数が「能なし」になってしまえば、働く能力がないのが当たり前になってフリーダムなのですが、それまでは「能なし」イコール経済的、社会的弱者であり、辛いことが多くなります。

   こうした事態を避けるためには、機械の能力を向上させ「能なし」がマジョリティになるよう後押しするだけでなく、とりあえず自分が機械にできないことをできるようにするのが大切です。

   機械が得意なのは、ルールのある世界において、そのルールの中での最適解を見つけることです。だったら、我々はルールのない世界で新しいものを作りだしていく方向に能力を伸ばしていくしかないでしょう。

   おそらく向こう10~30年は過渡期の「辛い世界」になります。

   あなたの得意な仕事が「綺麗な文字で宛名を手書きする仕事」や「馬を速く走らせる仕事」でないか確認してみてください。それらに該当する場合は、「書道家」や「競馬の騎手」を目指すか、別の仕事に移るかを早急に検討することをお勧めします。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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