まもなく到来する「つらい過渡期」に備えよ 韓国棋士の敗北に思う

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   韓国の囲碁棋士、李セドル氏がコンピュータに負けて話題になりました。

   チェスや将棋と比べても戦い方のルールが複雑な囲碁では、コンピュータが人間に勝つのにあと数年はかかるだろうと言われていたのですが、コンピュータの成長は早く、今回、プロの棋士にも説明できないような圧倒的な力で人間をねじ伏せました。

   これで分かったことは、ルールがある世界では、人間はもはやコンピュータに勝てなくなったということです。

人間にはありふれた負けの歴史

馬を御す仕事も細々と続いてはいるが
馬を御す仕事も細々と続いてはいるが

   そもそも人間は、いろいろな能力で負けています。

   走る速さでは馬に負け、機関車に負け、自動車に負け、飛行機に負けます。

   力では、てこの原理に負け、フォークリフトに負けます。

   これは、肉体的に負けていた人間が、さらにルールの中で何かを考えるという頭脳的な勝負でも負けるようになったということに過ぎないわけで、人類の歴史のひとつのマイルストンではありますが、かつて何度も通った道でもあるわけです。

   また、何かに負けるたびに、その仕事に従事している人は職を奪われます。

   例えば、馬よりも速く走れる自動車が開発されたことにより、馬を速く走らせる能力は、エンタテインメント以外に需要がほとんどなくなり、多くの騎手が失業しました。

   これと同じように、機械によって仕事を奪われる人は増えていくでしょう。

   実際、ワープロとプリンタの出現によって清書を仕事とする人はほぼ不要になっていますし、電卓や表計算ソフトによって暗算が得意な人の需要はほとんどなくなっています。

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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