働く女性の3割がセクハラ経験 立場違えど最多の「被害」はコレ

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   「セクハラ=セクシュアルハラスメント」なる言葉が流行語になったのは、1989年。今から30年近くも前だ。以来、啓発のために職場でさまざまな研修が開かれるなど、以前に比べ「セクハラへの意識」は高まったのかと思いきや、実はそうでもないらしい。

   厚生労働省が実施した調査によると、働く女性のうち約3割がセクハラ被害にあったことがあると分かった(「妊娠等を理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査」2016年3月1日公表)。しかも、企業が大きいほど「被害」経験者の割合が高いという。

「正社員」と「パート」でくっきりと差が

だめといったら、だめ
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   調査は、厚労省所管の労働政策研究・研修機構が昨(2015)年9~10月にかけて、全国6500社に在籍する「25~44歳の女性」約2万6000人を対象に実施。約4600人から有効回答があった。同時にウェブアンケートも行い、約5000人から回答を得た。

   セクシュアルハラスメントを経験した人の割合は全体の28.7%。企業規模が大きいほど、やや高い傾向がある。雇用形態別にみると、「正社員」が34.7%と高く、「パートタイマー」の17.8%と大きな差が付いた。

   被害内容で最も多いのは、「容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた」(53.9%)。次いで「不必要に身体に触られた」(40.1%)、「性的な話や、質問をされた」(38.2%)の順。「執拗に2人きりでの食事等に誘われたり、交際を求められたりした」(27.5%)や「性的関係を求められた、迫られた」(16.8%)など悪質なセクハラも例外的とはいえない数字だ。

   正社員、パートなど、すべての雇用形態で、ワースト1位は「容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた」だったが、2番目に高い被害は、「正社員」「契約社員等」では「不必要に身体に触られた」。これに対し「パートタイマー」「派遣労働者」では、「結婚、子どもの有無など私生活に関わることについて必要以上に質問された、話題にされた」が2番目となっている。職場での地位が不安定だと、「(出産などの)ライフイベントがあっても働き続けられるのか?」と疑いの目で見られ、度を過ごして話題にされてしまうのだろうか。

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