「ずるずると倒産」させるタイプの経営者 「起業30年説」から考える
【長寿企業の素顔】

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あなたの会社は、継承をする準備が進んでいますか?

   継承の仕方を考える前に、まずは会社を次世代に継承するかどうかを、社員に伝えることが必要です。それを明確にせずして、継承することはありえません。次に、家族か、社員か、他人か、いずれが継承するのかです。

   実は、会社を継承しないという経営方針もあります。営業・生産などの経営方針に次世代の社員が食べていけるだけの根拠があれば継承への道を踏み出しても大丈夫ですが、それらが希薄にして継承するのは、大きな危険が伴います。

   一部の経営者は継承方針がないまま、ずるずると会社を長引かせ、徐々に活力を失っても、経営を引き延ばします。その間に、会社に活力を与えていた社員が去り、蓄えていた資産が目減りして、倒産への道を進んでしまいます。

   それならば5年後の廃業を決めて、それまで一緒に頑張ってくれる社員に手篤い待遇を用意するとともに、会社を清算した時にも、経営者のその後の生活を支えられる資産を残す準備もできます。この道を選択し、きれいに清算できる経営者は、経営を引き延ばして、倒産へと至らしめる経営者よりも、よほど尊敬を集められます。

   あなたの会社は、どうなっていますか? 発表されていないだけで、既定路線に乗っている可能性もあります。手の届く、できるだけ上職の社員に聞いてみましょう。それはあなたに、会社への新しい視点をもたらしてくれることでしょう。(浅田厚志)

浅田厚志(あさだ・あつし)
青山学院大学総合研究所・客員研究員で、長寿企業の経営哲学などを研究中。「出版文化社」代表取締役社長でもあり、創業以来、多くの社史・記念誌の企画制作や、出版企画プロデュースなどを手がけている。著書に『成功長寿起業への道』など。
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