先日の3月11日で、東日本大震災から早5年。震災が起き、毎日悲しいニュースが流れていた頃を、今でもはっきりと覚えています。もう5年も経っていたのかと、びっくりしてしまいました。いまだ復旧が進んでいない地域も有り、避難所生活をしている人もいるでしょう。少しでも早く以前の生活を取り戻し、安心して生活を送れるようにと祈るばかりです。
あまり知られていませんが、震災等が起きた時に活用できる制度「給料の非常時払い」というものが有ります。今回は何かあった時に知っておきたい「給料の非常時払い」について解説します。(文責:「フクロウを飼う弁護士」岩沙好幸)
「貯蓄はほとんどありません」
私達夫婦は、震災で被災し、親戚を頼って今の土地にやってきました。幸いなことにすぐに仕事も見つかり、苦しいながらも妻と2人で支え合ってなんとか生活してきました。そんな中、ついに待望の第一子を授かることが出来たのです。とても嬉しく、幸せな報告だったのですが、心配なことが一つあります。それは出産に関する費用のことです。
借金などはありませんが、生活を立て直すのがやっとで貯蓄はほとんどありません。震災の際、給料の非常時払いというものを利用しましたが、妻の出産でも同じようにしてもらうことは出来るのでしょうか?(実際の事例を一部変更しています)