「小さい頃、実は漫画家になりたかった」という人は、少なくないようだ。好きなことを仕事にし、若くして大ヒットを連発・・・そんなバラ色の未来を思い描きながら、大多数は厳しい現実の前に挫折していくものだが、もしかしたら万に一つの夢を叶えるかもしれない「期待の星」が現れた。ときわ藍さん、愛知県に住む中学3年生だ。
昨(2015)年、彼女の作品「アイドル急行」が、小学館の「新人コミック大賞」の少女・女性部門で大賞に選ばれた。さらに同作品は今月発売された「ちゃお」4月号に掲載され、表紙には「ショーゲキの14歳でまんが家デビュー!!!」の文字が躍った。
見事にプロデビューを飾った中学生に対し、年上の世代や大人たちも興味を示し、小学生を主たる読者とする「ちゃお」を手に取っている模様。その反応やいかに。
「久しぶりに買った」「小学生以来」と掲載誌が売れる
「アイドル急行」は、とあるアイドルグループのメンバー「つぼみ」が、「センター」を目指して頑張る・・・というストーリー。ツイッターでは、発売前から、彼女より年上とみられるアカウントたちが、
「気になって検索してみたけど、絵かわいいし読んでみたい」
「発売日が待ち遠しい」
などとつぶやいていた。
掲載誌が店頭に並ぶと、
「ときわ藍せんせーデビュー作『アイドル急行』が載ってる『ちゃお』を買った。久しぶり!」
「小学生以来だ」
「『ちゃお』なんて1回も買ったことないけど、14才でデビューした、ときわ藍先生の漫画が見たくて買いました!」
と売れ行きに貢献、ワクワクしながらページを開いた人も多かったようだ。
読んだ人からは、
「面白かった!(素直にすごい)」
「凄く楽しめた!これからも頑張ってください!」
など、好意的なつぶやきが目立った。さらには、
「漫画家になりたい、と言う子はたくさんいると思いますが、子どものうちに実現したってスゴイ!努力家なんだなということが伝わる作品でした」
と、しみじみツイートする人もいた。
「・・・と老婆心」「ドヤ顔の大人にはなりたくない」
一方には、ちょっとした「大人の常識」から気をもむ人もいるようだ。ツイッターでは、
「デビューがゴールではないのでプロとして頑張って!」
とエールを送る人がいたり、
「若くして夢が叶うのは良いことだが、学業は疎かにならないだろうか? マンガ家でいられなくなったとき大変だぞ、と老婆心」
などと、ローティーン漫画家の将来を心配しているらしきツイートも。また、
「中2で漫画家デビューした子のニュース記事に、『もっと若くしてデビューした人もいるから珍しいことじゃない』ってドヤ顔で引用ツイートするような大人にはなりたくないですね」
と、反応する人もいれば、
「『若い漫画家志望者は、社会人になって人生経験を積んで漫画家になるべき』と言う人もいるけど、社会人経験なんて、学生時代の刺激に比べたら、たかが知れてるんだよ・・・」
といった、やや自虐的なつぶやきも聞かれた。
おそるべし、14歳。(KH)