テレビ就活番組から考える 「良き偶然」と「ちょっとした一歩」

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合同説明会への参加の意味

   この話は番組には出ませんでしたが、小藪さんは芸人になってから初期の段階で一度は辞めることを検討したものの、仲間に慰留されて続行し、現在に至っています。

   それぞれ、「良き偶然」があるわけですが、こういう話をすると、学生からは、

「それは有名人だからでしょ」

との反応があります。

   この「良き偶然」、有名人だけの専売特許ではありません。

   就活生で言えば、合同説明会や企業説明会です。そもそも、学生が知っている企業はCMが流れる有名企業ばかりです。

   先日、私が講演をしたJOBRASSREAL(大阪)では、日新電機や渡辺パイプのブースがガラガラでした。

   日新電機は、重電機器メーカーで日立製作所・三菱電機など重電8社の一角。売上高などは日立製作所よりも下とはいえ、東証1部上場で南極・昭和基地に太陽光発電のディーゼル発電機系統を納入するなど実績もあります。ついでに言えば、平均年収は720万円(41歳)。

   渡辺パイプは、上下水道のパイプやビニールハウスを扱う商社・メーカーです。非上場ではありますが、従業員数は単体で3147人もいる大企業。ビニールハウスでは国内シェア60%を占めています。

   この2社だけではありません。学生が知らない意外な優良企業は、合同説明会や学内企業説明会などでいくらでも出会えるはずです。

   ちょっと知らなくても、話を聞くだけならタダ。

   でも、あれやこれやと理屈をつけて参加しないようでは「良き偶然」には遭遇しません。

   これから就活が本格化していきますが、「良き偶然」のためにも多くの合同説明会・企業説明会などには参加してほしいと思います。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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