「若者は会社の飲み会が嫌い」は幻想? ギスギス職場が生まれ変わったワケ

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コミュニケーションは量が質をつくる

   こうして見てくると結局何が変わったのか、といえばスタッフ間のコミュニケーション量の増加に他なりません。「コミュニケーションは量が質をつくる」という組織活性化に向けた定石に従えば、H社の新店舗はスタッフが遠隔地で単身勤務することより、図らずもコミュニケーション量が増えて、スタッフ相互に親近感が湧き仲間意識が強くなり協力体制が強化された、そう結論づけられるヒアリング結果でした。

   調査報告を受けたH社社長は、この新設2店舗における職場運営への社員間のコミュニケーション効果を大きく評価し、「地元店舗でも、会社が社員の帰りの代行運転費用を持ってでも、各職場での食事会や飲み会を定期的に企画する」と前向きな対応を決断しました。

   最近ある大手商社では、以前廃止した社員寮を復活したそうです。一見、時代逆行とも思える寮復活ですが、寮生活で社員同士が部門を越えて自然にコミュニケーションを交わす機会をつくることで、将来を担う若手の仲間意識を高め、同時に部門間のコミュニケ―ションを円滑にしようという狙いだとか。仕掛けをもって今どきの若手のコミュニケーションを活性化させ組織の円滑な運営に生かすのは、むしろ会社の重要な役割なのかもしれません。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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