「バリバリ働く人がエライ」という風潮は根強い。が、昔のように、「早く昇進して、同期との競争に勝つ」ことに喜びを感じる人は、減っているのかもしれない。
お悩み投稿サイト、「教えて!goo」には、「30才女、営業8年目、結婚3年目・子供なし」という女性から、こんな投稿があった。「昇進するかどうかの選択」(2016年2月12日)。「昇進にはデメリットが多すぎる」と主張する彼女に対し、ネットの反応は・・・?
「メリットは社内で『箔』がつくくらい」
彼女は「この冬、主任への昇進の打診を受けたが、断った」。上司の評価は満たしていたが、「もともと主任格を取りたくなかった」ため、わざと資格要項を満たさないように、民間資格の方を取っていたそうだ。
昇進を断った理由としては、デメリットが多いから。投稿者によれば、(1)平社員のままでも、扱える仕事の規模は変わらない(主任になったからといって、規模の大きな仕事ができるわけではない)、(2)手取りの給料が下がる(基本給は上がるが、フレックスになるので残業代がつかなくなる)、(3)営業報告や売り上げ数字のまとめで、休日出勤、会議、資料作成の負担が増える。ちなみに、メリットは「社内に対して多少『箔』がつくくらい」。確かに、これでは「割にあわない」と感じる人も、いるだろう。
彼女いわく、上司が自分を「昇進させたいと思っていただいたことは、大変嬉しく思っている」が、「デメリットが多すぎて・・・家族との時間もあまり犠牲にはしたくない」。また来年、同じような(昇進の)話になった場合、「昇進を断ること、どう思いますか?」と、問いかけた。
「何年も受けないでいると・・・」
回答は、「昇進を打診されたなら、従うべき」「いや、個人の自由でしょ」と、真っ2つに分かれた。
「あなたが決めたことなので、否定しません」という回答者いわく、「私が上司なら、特に女性が1度昇進を断ると、次に昇進話はもう2度としません。この1年で昇進できる人材を育てていますし、たくさんいますから、あなたに頼ることなどしませんから! これが企業です。大きくなるほど人はいますから」と、手厳しい。
「何年も昇進試験を受けなかったら、『この人は会社の事を思っているのかどうか、楽して給料取りになっているのでは』と思う」と、周りの目を指摘する人もいた。
「ムリには言えませんが、会社の要求を断ったことは、プラスとは評価されないでしょうね。せいぜい現状維持」という人も。大きくマイナスにはならないが、決してプラスにはならないということか。
「平社員でも、課長より影響力ある人もいる」
一方、「別に良いんじゃないかね」と、暖かく見守る人もいる。
「現場大好きで昇進断り続けてた人は、前の職場でもいたし、『変わった人だね~』って言われるくらいで、別に文句言われたりしてなかったし。(略)そのまんまで良いと思うよ。会社としては『そっか~、残念だな~』って程度だしね」
このアドバイスを見た投稿者は、「気が楽になりました」と、少し肩の荷がおりたようだ。
ちなみに、ベストアンサーに選ばれたのは、「貴方の人生であり、何に重きを置くかで変わって来ると思います。これは、男女、関係ないです」という助言。「昇進に興味がないのであれば、今の職場、地位で影響力がある人物を目指すといいですよ。たまにいますよね、良い意味で、課長より影響力が大きい平社員」と、昇進しなくても「社内に影響力のある人物を目指せ!」というアドバイスだった。(KH)