社長が言ってはイケない「あの一言」 言われた常務は...やっぱり辞めた

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怒りのピークをやり過ごす法

   結局2か月ほどして、再訪問は実現しました。先日のトラブルの顛末が気になっていた私は、ヒアリングにかこつけて「上場準備はS常務中心に順調ですか」と尋ねてみました。

「あ...、先日は大変お見苦しいところお目にかけてしまいました。実はSは辞めました。...トラブルの責任をとらせた形です...」

   社長は自分の怒りの一言を我々に聞かれてしまったことを思い出し、恥ずかしさと後悔の念もあったのでしょう。その言葉はいつになく歯切れが悪く多くを語りませんでしたが、S常務の辞任は、K社長が怒りに任せて言い放った、言ってはいけないあの一言が影響しているのは明らかでした。

   B社は、未だに上場を実現できていません。S常務が辞めたことだけがその原因ではないのでしょうが、少なからず影響があったことは否定できません。K社長の事例は、社長の怒りは立場上の強いパワーを持ちすぎるが故に、その怒りの持っていき方に注意しないと、思わぬ損失や失敗を招くことがあるという教訓であると思います。

   ちなみに専門家が教える、怒りを感じてから6秒間の具体的なやり過ごし方ですが、ひとつ深呼吸をして100から3づつ引き算をするのが効果的だとか。「97、94、91、88...」とアタマの中で数えているうちに、怒りのピークは過ぎ去っていくそうです。怒りっぽい皆さま、ぜひお試しください。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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