逆張りビジネスの考え方(高城幸司)

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「残存者利益」をおさえる

   こうした逆張りの発想で大事にしたいのは、「残存者利益」をおさえること。残存者利益とは、過当競争や収縮傾向にある市場において、競争相手が撤退したあと、生き残った企業のみが市場を独占することで得られる利益。他社がすべて撤退してしまえば、まったく競争がなく、小さな市場でも利益を獲得することが可能です。

   さらに、一度は衰退した市場が再び活性化すれば、踏みとどまった企業は利益を独り占めすることができます(他社も同じように残存者利益を求めて撤退しないことを決めれば、悲惨な泥沼の競争になりかねないので注意が必要)。

   その典型と言われているのがカシオの電子辞書。シェアトップであるカシオの電子辞書事業の売上高は約320億円で、営業利益率も20%近い高水準を維持しています。価格に関しても、「今後もスマホの影響によって価格が変化することは考えづらい」とのこと。仮に中国ビジネスを考えるときに、一時的に中国経済が不調になっても堅調に残るビジネスチャンスは何かを考え見極めるのです。中国でなくても構いません。残存者利益をおさえて、逆張りの発想をもってみましょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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