就活生に悲報、転じて朗報に? 「スケジュール変更」の混乱、まだ続く気配

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18卒はもう時期変更決定?のアンケート

   もっとも、大学・企業とも、大半の担当者は17卒のスケジュールが決まった時点で長続きするわけがない、と見ていました。

   「3年3月・4年6月」というスケジュールでは、広報期間が短すぎるなど前記の問題点があることなど、実施前から明らかだったからです。

   そして、18卒がさらに変更になりそうです。

   その理由を示すものが、2月、各企業の採用担当者のもとに送られてきました。某就職情報会社から送付されてきたアンケートです。このアンケートの項目の一つに時期変更についての設問がありました。

   ベストの就職時期について、

「3年12月・4年4月」「3年3月・4年6月」「3年3月・4年8月」

の3択。これだと、16卒スケジュールの欠陥をよくわかっている採用担当者なら「3年12月・4年4月」を選択するに決まっています。

   アンケートを見た採用担当者の大半は「ああ、これは18卒がまた時期変更になるシグナルだな」と感じたそうです。

   食品メーカーの採用担当者は「選択肢から就職情報会社のシナリオがわかる」として、こう説明します。

「『3年12月』が圧倒的多数となるアンケートを4月か5月ごろ公表する。そのあたりだと、17卒採用の『4年6月』の欠点も浮き彫りになっている。そこで、企業の大半はどこも『3年12月』を希望している、という結果を出して、時期変更の空気を作り出す。大学側も文系・理工系とも大半の大学は『3年12月』に賛成。それで6月あたりに時期変更を発表。こんなシナリオじゃないのか」

   付言しますと、就職情報会社各社が就活時期を決めるわけではありません。就活時期を決めるのはあくまでも経団連です。

「経団連だって、後ろ倒し維持は少数派。大半は『3年12月』に賛成のはず。就職情報会社の動きは経団連の多数派の意向も受けているのではないか」
石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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