女性の社会進出が盛んな現代、「家は妻が守るもの」という考えは過去のものとなりつつある。子供がいる共働きの夫婦ならば、夫は「イクメン」たることが求められるケースも多い。
一方で、「男性が家庭に入る」ことに対しては、まだまだ否定的に見る女性が多いようだ。
「男性が一家の大黒柱」という前提
日経電子版の女性向けサイト「WOMAN SMART」に、企業の子育て支援や女性労働問題を研究する池田心豪氏による「『無職のイクメン』はアリ? 女子大生『妻が大黒柱はナシ』」というコラムが掲載された(2016年2月7日)。
大学で講義した際、「あなたに十分な収入がある状況で、大好きだけど無職の彼氏からプロポーズされたら受けるか」と女子学生に質問すると、ほとんどの学生が「ノー」と答えるそう。アルバイトでもNGで、「経済的に不安定な男性とは結婚できない」と言われるという。
池田氏は「家事・育児だけでなく家計を支える経済的役割もそれぞれの事情で柔軟に分担できたら、それだけ人生の選択の幅は広がる」と持論を述べた上で、
「イクメンはあくまでも一家の大黒柱として働いていることが前提のようだ。反対に女性は仕事で活躍しても家事・育児役割を免れないだろう。それで夫婦ともに仕事と家庭を両立できれば良い。だが、仕事も家庭も苦しくなると保守的な人はこう言うに違いない。『それ見たことか。やっぱり男性は仕事、女性は家庭なのだ』と。なぜ男女逆ではダメなのだろうか」
と、疑問を投げかけている。