先日、インドネシア在住10年以上の友人からこんな相談をうけました。
「最近、ジャカルタで日本人人材が不足していて、知り合いの会社も人が採れなくて困っているんだよ。月給4000ドルでも来ないみたいなんだけど、だれかいい人いない?」
この会社が募集しているのは、自動車の部品の法人営業。
全くの新人(新卒)は不可能ですが(そもそもビザが降りない)、日本で数年間の営業経験があれば職務はこなせそうです。
日本人の求職者の数はさらに減りそう?
月給4000ドルといえば、日本円に直すと48万円(ざっと1ドル120円計算)。年収にすると約575万円。これにボーナスがつくので年間600-700万円はもらえる計算になります。ちなみに、運転手付きの車もついてきます。
物価が高くなりつつあるとはいえ、東京よりは安いジャカルタでこの給料はなかなか魅力的です。
この連絡をもらって数週間後に、ジャカルタでISによるテロが起こりました。
テロが起こった場所は、ジャカルタ市内の中心にほど近いサリナデパートというデパートの近くにあるスターバックス付近。私も何度もいったことがある場所です。
このテロが起こった後、おそらくさらに多くの人がジャカルタ行きを避けており、日本人の求職者の数はさらに減っていくと思われます。
ただ、このテロで亡くなった被害者の方は4名(これ以外に犯人4名も死亡)。
人数としては、東京の交通事故死者数や自殺者数から比べたらごく少数です。
確率論で考えると、それほどの脅威ではないといえます。
それ以外にも、海外で働くとなると様々なリスクがあります。
リスクをとれる人材
日本語が通じない英語での生活。時間や仕事の精度などの日本人とは違った仕事の文化。意外と濃い現地在住日本人コミュニティとのつきあい。
さらに、インドネシア特有の、イスラム教中心の生活、果てしない渋滞、お酒の馬鹿げた値段などなど。
ジャカルタの日本人給料が高騰しているのは、ジャカルタの経済発展だけでなく、このようなリスクをとれない日本人がいまだ大多数であることが原因です。
逆に言うと、このようなリスクをとれる人材になっていると、チャンスが訪れる可能性があるということです。
人によってどのような要素を重視するかは変わってきます。
ただ「テロがあるから」「イスラム教だから」という印象論だけで、チャンスを潰してしまうのはもったいないです。
もし、給料4000ドル!という点で興味を持った方は、一度ジャカルタに訪れてみて、自分の目で、「この街で生活するのは、ありかなしか」を判断してみてください。
このコラムでは何度も言っていますが、多くの日本人は海外に住みたくないと言っているので、行ける人にはチャンスが広がるのです。(森山たつを)