「孤独な社長」に求められる勇気 悩んだ時、まず行うべきコト

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まず人に相談してみる

   私はH社長の相談に乗ることになりました。決算書を見たところ、3期前から繰越損失が発生し、前期決算では遂に債務超過になっていました。ほったらかしの税理士もひどいものですが、もう少し早く相談していたなら、いくらでも改善策はあったはずに思えました。

「ずっと悩みに悩んでいたものの、どうしていいか分からず、友人、社員はおろか身内にも相談できず、一生懸命働けばなんとかなるだろうとズルズルここまで来てしまいました」

   腰を据えて聞いた社長の身の上話に、仕事にかける前向きで真摯な姿勢と技術探求心が十分理解できたので再建は可能と判断し、当面やるべきことを指示しつつ知り合いの資金繰り改善専業のコンサルタントを紹介し、彼にH社長の人となりを話した上でその運命を委ねることにしました。

   2週間ほどして、社長から電話がありました。

「いろいろな策を授けていただき、少し光明が見えてきました。がんばってみます。おカネの話は恥ずかしいと躊躇せず、もっと早く誰かに相談すれば良かったと本当に思います」

   社長であろうとも、決して孤独ではありません。むしろ責任が人一倍重い社長であるからこそ、何かに悩んだらまず人に相談してみる、そんな勇気を持つことが大切なのです。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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