町内会の行事のポスター、デザイナーの知人に頼もう。修理工の知人にエアコンを直してもらおう。「友達価格」で、安く、あるいはタダでやってもらえるかも―。
こんな考えで、気軽に友人に仕事を依頼してしまったことはないだろうか。そのお願い、もしかしたら、友人に不快な思いをさせてしまっているかもしれない。
「タダで髪切って」「デザインして」「記事書いて」・・・
「LIG」のライターである古性のっちさんが、次のようなツイートを投稿した(2016年1月28日)。
美容師の頃は「タダで髪切って」と言われ、デザイナーの頃は「デザインして」と言われ、ライターになったら「記事書いて」と言われる。その最後に「友達価格で」という魔法の言葉がついて。
— 古性のっち (@nocci_84) 2016, 1月 28
なんだろうか友達価格って。友達だからこそ正当な価格でその人を応援するべきなんじゃないのか。
このツイートが、1週間強のうちに9400リツイートを超える話題に。
「友達価格ってのは作り手が決める事であって、依頼主が決める事じゃないんだよなぁ。『友達価格でやってよー』って言う奴は、友達を低価格の使い捨て商品としか思ってないので、遠慮することなく縁を切りましょう」
「祖母がずっと私に言い続けていたこと。『友達の店に行って安くしてもらおう』ではなくて『友達だからこそ儲けさせてあげなくては』という教え。本当にそのとおりだと思う」
など、賛同が相次いで寄せられている。
「わりと冗談で言ってたわこれ。そんな風に思われてたんだなー気をつけよう」
と、反省の声も聞かれた。
「タダでの翻訳断られた」で炎上
「友達価格」といえば、過去にQ&Aサイト「発言小町」に投稿された相談が炎上したことがある。
「好きな人が翻訳を断ってきました」というトピック(2013年2月5日投稿)で、通訳・翻訳の仕事をしている、以前同じ職場だった好きな男性に、英語のサイトの翻訳をSNS経由でお願いしていたという。
10回ほど無料で頼んでいたら、「ご依頼は翻訳会社を経由して下さい」と言われてしまったという投稿者。高いので無理だということで、さらに海外から購入したエクササイズマシンの説明書を「今回はボランティアでお願いします」とメールすると、当然断られた。
「ほんの少しの量だし、それをやればその人の仕事の幅も広まるし(翻訳通訳は経験分野を広めておく必要あると、前にその人言ってました)、あなたにとっても勉強になるし、メリットあるからやってみて」
と言ったら、「以降、翻訳は一切受けません。メールも控えさせて頂きます」と返されたそうだ。
投稿者は「知り合いにお金ちょうだい、と暗に言うのはマナー違反」と考えているようだが、回答者からは「図々しすぎる」「非常識」など非難が続出。騒ぎやツイッターやはてなブックマークにも飛び火し、「友達価格」を批判する声が多数投稿された。
仕事をする側から「まけてあげる」と提案されたらありがたく受け取ってもいいだろうが、依頼する側が「友達だから安くして」「タダでやって」と言うのは考えもののようだ。(MM)