昨(2015)年、アベノミクスの「新たな3本の矢」にも含まれた事で話題になった、「介護離職ゼロ」。連日のように介護に関するニュースが流れる中で、「介護離職」という言葉はみなさん耳にした事があると思います。
少子高齢化が進む昨今、自身や伴侶の両親等の事で、一度は問題に直面することもあるでしょう。家族の介護を理由に離職してしまう「介護離職」ですが、会社と家族の間に立たされ、悩んでいる方は多くいると思います。今回はそういった介護離職を防ぐ、休暇制度について解説していきます。(文責:「フクロウを飼う弁護士」岩沙好幸)
母が寝たきり状態に
一緒に住む母親は元々体調が良くなかったのですが、最近急に病状が悪化し、寝たきり状態になってしまいました。母の病院の付き添いや介護の為、会社を最近休みがちになってしまっており、会社に迷惑をかけてしまっていて大変心苦しく思っています。
なので、これ以上迷惑をかけるのであれば退職するしかないか、と考えていたところ、同僚が「介護休暇の制度を使ってみたら?」と声をかけてくれました。しかし、上司に相談したところ、「今は取らせている余裕がない」と言われてしまいました。こうした状況では、制度を利用することはできないのでしょうか?(実際の事例を一部変更しています)