「日本の正月は、中国の正月といっしょ?」
私が住んでいるマンションの、カンボジア人オーナーのおばちゃんが聞いてきました。
「いや、日本の正月は1月1日だよ」
日本人からすると当たり前のことなのですが、世界各国を見渡すと「正月=New Year」というのは各国バラバラなのです。
私がこれを聞かれたのは、2016年の2月8日が中国正月だからです。
都市はもぬけのから
中国や台湾、シンガポールはこの時期が「正月」で会社や店が一斉に休みになります。
また、ベトナムでも「テト」と呼ばれており、都市在住者が一斉に里帰りをするため、交通機関は大混乱、都市はもぬけのからになります。
また、タイやカンボジア、ミャンマーの正月は「ソンクラン」と呼ばれており、2016年は4月14日になります。この前後で里帰りをするのは、中国やベトナムと同じですが、タイでは「水掛祭り」が行われ、街中でバケツや放水車を使って見ず知らずの道行く人に水をぶっかけまくるという祭りが展開されます。
祭りに参加するという点では実に楽しいのですが、なにも知らずに旅行で訪れて、いきなりわけも分からず水をぶっかけられると、かなりブルーになります。
これらの正月は、太陰暦で決まっているため、我々が日常使っている太陽暦で見ると毎年違う日が正月ということになります。
そして、インドネシアやマレーシアでは「ラマダン明け」も一大イベントです。
こちらはイスラム暦10月1日と定められており、2016年の場合、西暦で7月6日。
1か月の断食を終えた人たちがお祭りをおこないます。
「正月明け」は求人が増える傾向
このように、一口に「正月」といっても、文化圏によってその意味合いや日程が変わってきます。海外でビジネスをやる場合は、このような日程にも考慮して計画を立てる必要があります。
ちなみに、海外で就職を考えている人は、この「正月」の時期に現地に行っても、日常とは全く違う上に会社も軒並みお休みになっているのでおすすめしません。そして、この正月明けは、新たな年を迎えて事業計画が整い、求人が増える傾向があるので、案件がたくさん出てきます。
なお、私が住んでいるカンボジアは1月1日の新年も、2月の中華正月も、4月のソンクランも多くの店や会社が休みになります。毎月のように1週間の休みがあるため、会社経営者は業務が停止しまくって大変です。
逆に、労働者は、お休み天国。経営者に厳しく、労働者に優しい国、カンボジア。 だから経済発展に時間がかかるのでしょうか・・・。(森山たつを)