一頃、オンラインゲームやSNS関連のIT企業が、新卒のエンジニアに「年収1000万円も」と、破格の求人を出して話題になった。業界では今も、システムエンジニア(SE)や、ネットワークエンジニアなどの人手不足が続いている。
日経新聞の最近の報道によると、「派遣技術者」の奪い合いが起きており、「時給5000円」など、破格の求人もあるそうで・・・。
月給50万円以上、残業代も支給
記事では、エン・ジャパンやリクルートジョブズなど、求人サイトへの聞き取りやデータなどから、SEやネットワークエンジニアの時給が高騰していると紹介(「時給5000円の求人も 派遣技術者の争奪戦が過熱」2016年1月28日)。
ハイレベルなスキルや英語力などが求められる求人では、時給が「5000円」と高額な場合もあるという。そこまでいかずとも、「時給3000円」であれば、1日8時間で月に22日働いて、月給は50万円以上。残業代も支給される。高待遇で、しがらみのない派遣技術者を選ぶ人も、増えているそうだ。
なぜ、ここまでエンジニアの「待遇アップ」が起きているのか。記事では背景として、「IT各社のシステム開発やメーカーの技術・製品の開発が旺盛なことがある」と解説。プログラマーやSEは、自動車業界などでもニーズが高いとしている。
好待遇を求めて転職
ツイッターでは、「エンジニアは正社員でも、派遣でも、フリーでも活躍できるので、働き方の幅が広くて面白い職種だと思いますよ!市場価値も高いです!」と、アツく主張する人も。一方で、「中小企業の情報システム部門とか、中堅SIer(注:システム・インテグレーター)のSEとか、残念ながらひでえもんだぞ」と、主張する人もいた。
その人は、「あくまで聞いた話なので一般化できるかわからんけど」と前置きしつつ、「アメリカのエンジニアは、事業会社でプロジェクト成功させるため技術を学び、より好待遇を求めて転職するので、専門性が身につくらしい」とツイートしていた。
実際、アメリカでは、有能なエンジニアが「好待遇を求めて転職」するケースも珍しくない。フリーランスになって破格の年収を得る人もいるようだ。ニュースサイト「Bloomberg」の記事では、グーグルを辞めてフリーランスになり、報酬が「約2倍」になった27歳男性を紹介。彼のような「有能なコーダー」=エリート集団は、大手からベンチャー企業まで、「時給1000ドル(約11万7800円)」もあり得るそうだ。企業は競争力を得ようと、フリーのソフト開発者に熱い眼差しを注ぐ。そんな欧米では、エンジニアを獲得する目的で「会社全体を買い取る大企業」も出現しているというから、驚きだ(「時給12万円近くで引く手あまた、グーグル辞めて報酬2倍の自由な職業」2016年1月20日)。
日本の業界の現状とは天と地
記事を受けて、ツイッターでは、「どんな成果出したらそんな時給になるんやろ・・・」とか、「コンサルの方は時給2.5万円くらいって言ってて、『凄いなぁ』と思ったけど、ケタが違うなあ」など、溜息をつくようなコメントが飛び交った。
一方、ハイレベルな能力をもつ派遣技術者への『破格の高待遇』は、「日本じゃあり得ない話だよ」と、醒めた見方をする人も。「日本の業界の現状とは天と地です、いちおう念のため」なんてコメントもあった。(KH)