おぉぉ、また始末書かよ! 絶叫する若手係長に起きたコト
【職場のストレス大解剖】

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3つのチェックポイント

   事故や災害の時に「心のケア」として精神科医や臨床心理士が派遣されるのは、この「心の傷」ケアのためなのである。

   PTSDまではいかなくとも、私の観察の範囲ではあるが、想定しえない小さなショックによっても、私たちは忸怩たる思いに至る。冒頭の若い係長さんの体験のように「自分のミスは努力」で防止できても、「部下のミスを防ぐ」というのは、初めての経験だ。尻ぬぐいストレスが重なると、トラウマまでいかなくとも、近い状態になってしまうかもしれない。

   自分で「尻ぬぐいストレス」に気づくポイントは、

(1)夜、入眠しても寝付けない(過覚醒:憤りによる興奮)
(2)眠ったら「鬼部長」が夢に出てきて起きる(悪夢)
(3)明日は、会社に行きたくない(回避)

の3点だ。こういうパターンになれば、ちょっと心が疲れていることになる。トラウマ状態の「兆し」と私は勝手に呼んでいる。

佐藤隆(さとう・たかし)
現在、「総合心理教育研究所」主宰。グロービス経営大学院教授。カナダストレス研究所研究員。臨床心理学や精神保健学などを専攻。これまでに、東海大学短期大学部の学科長などを務め、学術活動だけでなく、多数の企業の管理職向け研修にも携わる。著書に『ストレスと上手につき合う法』『職場のメンタルヘルス実践ガイド』など多数。
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