ニュースキャスターに学ぶ 「聞く力」の磨き方

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アクションで盛り上げる

   さて、キャスターだけでなくビジネス全般で「聞き役」としての能力はとても重要。その際に、ただ聞くのではなく「アクションで盛り上げる」ことが重要となってきます。皆さんも普段から人の話を聞く時には、「うなづく」など何らかのリアクションをしてはいると思います。例えば「えー! そうなんですか?」「すごいですね!」と合いの手を入れたり、驚いたように手や体をオーバーに動かしたり、話の内容に合わせて表情を変えてみる。このように、聞き手に動きがあったほうが、話し手も話しやすくなり、会話がどんどん進むものです。

   心理学でよく引き合いに出される「メラビアンの法則」によると、人は対話をした時、相手の話した内容よりも、相手の表情や動きをより記憶しているといいます。だからこそ、雑談によって円滑な人間関係を作ろうとするのであれば、聞き役に徹している間は、できる限り相手の話を聞いてアクションで盛り上げる癖をつけてみてください。

   最近の職場では、何に対しても淡々と接する風土があるように感じます。何でも「できることが当たり前」とされていて、ダメな点はマイナス評価される一方、プラスの面をたたえる社風がない組織が結構多いものです。誰かが何かを話したり、コメントをしたりしても、淡々と聞いてはくれるものの、それに対して抑揚のある反応が返ってこないケースが多いように思うのです。つまり、発言に対して「打てば響く」ように接してくれる人が、少なくなっているのです。だからこそ、「打てば響く」存在でいること自体が、とても重要なのだと思います。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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