「就活は楽勝」「内定、取れないわけない」――そんな就活楽観論が広がっている。
大学生の就職内定率は改善しており、文部科学、厚生労働省が公表した、今(2016年)春卒業する大学生の就職内定率(15年12月1日時点)は、男女計で80.4%。前年同月と比べて0.1ポイント増えた。5年連続の上昇で、リーマン・ショック前の2008年同期(80.5%)と同水準にまで回復した。「楽勝」ムードは、現3年生にも漂っているようだが、そんなに浮かれて、大丈夫?
就活あらわす漢字「楽」が3年連続1位
調査は、全国の国公私立大62校を抽出して実施。女子学生の内定率が82%だったのに対し、男子は79%。女子の内定率は、1996年以来、最も高くなった。
ツイッターでは、就職活動を終えた学生らしきアカウントが、「今回の就活はラクだった」とつぶやくのが見つかる。
「あと2か月で学生終わり。就活は人によるんだろうけど、ぶっちゃけ自分はラクだったと思う(^ω^;)」
という人もいれば、
「なんだかんだノリで就職しちゃったw 就活、超楽だった」
「内定めっちゃもらってるから、これからの4年生はマジで楽勝」
など、楽勝派の声が目立つ。
実際、就職活動は「楽」になっているのだろうか。就職支援サイトを手がけるマイナビ(本社・東京)が、2016年卒の学生に対して行ったアンケートによると、就職活動を表す漢字は、「楽」が3年連続で1位だった。学生から社会人になることについての心境も、「前向き(非常に+どちらかというと)」であると回答した学生が6割以上で、全体的にポジティブな雰囲気がただよう(15年11月12日公表)。
買いたたかれてた時代から見ると・・・
次々と内定をゲットしていった先輩を見て、これから就活を始める3年生も、少し気が楽になっているのかもしれない。ツイッターでは、「選ばなきゃ内定とか楽勝感ある。でも、短い職歴を重ねたら、もう社会復帰は望めなくなるから、なるべく選ぼうと思う」とか、「内定とか、取れないわけがないから楽勝~」と、楽観視する声も見つかった。
もちろん、「近年は楽になってきてるみたいやけど就活とかクソ怖い(||゜Д゜)ヒィィィ!」と、おそれる学生もいるようだが、どちらかというと、ポジティブな学生が多そうだ。
そんな「楽勝」状態の就活を、やや複雑な思いで見つめている社会人の先輩も。ツイッターでは、就活に苦労した世代から「今はまた売り手市場だから楽そうねえ。うちの会社、私の頃の1.5倍も採用していて驚いたわ・・・」とか、「楽そうでええな」、はたまた「売り手市場の就活なんて、いつ以来だろう。買いたたかれてた時代から見るとうらやましい」などとつぶやいていた。(KH)